まとめ

 私は今、金融派生商品を取り扱うシステムのフレームワークを設計していますが、この世界では市場に連動したリアルタイムなデータ処理を必要とするため、非常に高い処理速度を求められます。このような高い処理速度を実現しようとした場合、データベースのテーブル構造は処理効率を前提として最適化されるため、一見して何のデータが、どのように表現されているのか解りづらい構造となっています(すなわち中身)。しかし、人間が理解しづらい構造というのは、プログラミングも複雑になるため、メンテナンス性や拡張性が低くなります。そこでオブジェクトのラップをかぶせることにより(見た目)、処理速度とメンテナンス性、拡張性を両立するというアプローチを取っています。

 こういった実装方針は、何も特別なものでは無く、オブジェクト指向と従来型データベースとを組み合わせる場合には、ある意味王道的なアプローチなのだとも感じています。


 それにしても、SQLCLR は、つくづく興味深いソリューションだと思います。常駐(グローバル)オブジェクトが作れればもっと良いんですが。最新の SQL Server では出来るようになってたりしてw


→の本は、現在 SQLCLR プログラミングを始めようとした時の唯一の選択肢と言っても良い本です。ちょっと高いけどお勧めです。